小学生の読書習慣をつけたいと思っても、
「本を買っても読まない」
「自分ではなかなか読まない」
と感じるご家庭は多いのではないでしょうか。
読書は大切だとわかっていても、どうすれば無理なく続く習慣になるのかは迷いやすいものです。
わが家でも、ひとり読みがなかなか進まない時期がありました。買ってきた本が積まれたまま、図書館で借りた本も開かれないまま返却、という日々がしばらく続きました。でも今振り返ると、読書習慣は気合いで作るものではなく、本に向かいやすい流れを整えることで自然に育つものだったように思います。
この記事では、小学生の読書習慣を家庭で作るための工夫を整理します。
小学生の読書習慣は「読ませる」より「本があるのが当たり前」で育ちやすい
読書習慣をつけようとすると、つい「読ませる」ことを考えてしまいがちです。
でも実際には、読むことを強く促すより先に、本が身近にある状態を作ることのほうが大切だと感じています。
リビングに本がある。手に取りやすい場所に置いてある。親も自然に本を読んでいる。そんな環境があると、子どもにとって本は特別なものではなく、生活の中にあるものになっていきます。
読書習慣は、「読みなさい」と言われて急に身につくものではありません。まずは、本があること、本を開くこと、本を選ぶことが、家庭の中で自然なことになっているかどうか。そこが土台になるのだと思います。
読書習慣がつきにくい家庭で起きやすいこと
読書が続かないとき、子どものやる気だけが原因とは限りません。むしろ、家庭での関わり方に少しずつ読書を遠ざけてしまう要素があることも多いです。
よくあるのは、親にとっての「良い本」を先に選びすぎてしまうことです。わが家でも、「これはいい本だから」と渡した名作が、一度も開かれなかった経験があります。親にとって良い本と、その子が今夢中になれる本は、必ずしも同じではありません。
もうひとつは、本を読むことが課題になってしまうことです。何分読んだか、何冊読んだかばかりを気にしてしまうと、読書は楽しい時間ではなく、やるべき作業になってしまいます。
さらに、本屋さんや図書館で急かしてしまうこともあります。子どもが迷っている時間は、親から見るともどかしいものです。わが家でも、「早く選んで」と言い続けた時期がありましたが、それからしばらく息子が図書館を嫌がるようになりました。その迷う時間も、その子なりの本との出会い方です。そこを急がせると、本を選ぶ時間そのものが苦いものになりやすくなります。
小学生の読書習慣を作る家庭の工夫① 本を手に取りやすい場所に置く
読書習慣を作りたいなら、まずは本の置き場所を見直したいです。
本棚の奥にきれいに並べるより、子どもの目に入りやすい場所にあるほうが、本はずっと手に取られやすくなります。
たとえば、リビングの一角やダイニングテーブルの近く、ソファのそばや寝る前に過ごす場所。こうしたところに数冊置いておくだけでも違います。わが家では、ダイニングテーブルに2〜3冊置いておく習慣にしました。すると、夕食を待つ間や宿題の合間に、何気なく手を伸ばすようになりました。意識して読ませようとするより、ずっと自然な流れでした。
本を読む子は、最初から強い意志で本を開いているわけではありません。なんとなく目に入ったから、少し気になったから、手に取ってみた、ということも多いです。だからこそ、まずは手に取るハードルを下げることが大切です。
小学生の読書習慣を作る家庭の工夫② 最初から長く読ませようとしない
小学生の読書習慣を作るときは、最初から長く読ませようとしないほうがうまくいきます。
特に小1前後では、文字は読めても、物語をひとりで楽しむ力はまだ育ち途中です。内容を追う力、登場人物の気持ちを想像する力、少し長い文章に集中する力。こうしたものが少しずつ育っていく中で、ひとり読みも進んでいきます。
だからこそ、まだすらすら読めない時期があっても、まったくおかしくありません。わが家でも、小1のころは1ページ読んで「もういい」と閉じることが珍しくありませんでした。最初はそれでいいと決めてからは、親の方が楽になりましたし、息子も本を開くことへの抵抗が減っていきました。
大切なのは、1冊を最後まで読ませることより、「本を開くこと」や「少しでも読めた」という感覚を持てることです。
今日は数ページだけ、途中まででもOK、続きはまた明日でいい。このくらいの軽さで始めたほうが、読書は続きやすくなります。
小学生の読書習慣を作る家庭の工夫③ 子どもが手に取りたくなる本を選ぶ
読書習慣を作るうえで、とても大きいのが本選びです。
ここで大事なのは、親が読ませたい本より、子どもが手に取りたくなる本を優先することです。
最初から文章ばかりの本でなくても大丈夫です。絵が多い本、図鑑、マンガ的な要素のある本、シリーズものなど、入りやすい本からで十分です。
わが家でも、最初からいわゆる良書ばかりを渡していた時期は、あまりうまくいきませんでした。転機になったのは、息子が自分で「これ読みたい」と手に取った、少し幼めに見える図鑑でした。内容よりも「自分で選んだ」という感覚が、本への入口になったように思います。
子どもに合う本を見つけるには、図書館や本屋さんで一緒に選ぶ時間も大切です。親が決めて渡すだけでなく、子ども自身が選ぶことで、本への主体性も育ちやすくなります。
小学生の読書習慣を作る家庭の工夫④ 読んだことを試しすぎない
読書習慣をつけたいときほど、読んだ後にいろいろ確認したくなることがあります。
読み終わった直後に「どんな話だった?」「何が面白かった?」「ちゃんと理解できた?」と聞き続けると、読書そのものがだんだん重くなってしまいます。
もちろん、やわらかい会話として聞くのはよいと思います。でも、毎回感想を求めたり、理解度を試したりすると、読書そのものがだんだん重くなってしまいます。
読書は、本来もっと自由なものです。心に残ったところがひとつでもあれば十分ですし、ただ楽しかったでも十分です。
特に低学年では、読んだことを上手に言葉にできないこともあります。わが家でも、毎回感想を聞いていた時期は、息子が読み終わると本をそっと置いてそのまま違う部屋に行くようになりました。聞くのをやめてからは、自分から「この本おもしろかった」と話しかけてくるようになりました。そこで無理に引き出そうとするより、本との時間そのものが心地よいことのほうを大切にしたいです。
小学生の読書習慣を作る家庭の工夫⑤ 読書を特別な勉強にしすぎない
読書習慣を作るときは、読書を特別な勉強にしすぎないことも大切です。
読書が「国語力のため」「受験のため」という色を強く持ちすぎると、子どもは身構えやすくなります。もちろん、読書が国語力や考える力につながるのは事実です。でも、入口ではそれを前面に出しすぎないほうがうまくいくことも多いです。
本を読む時間は、勉強というより、楽しみや安心の時間であってもよいと思います。
寝る前の読み聞かせは、小学生になっても続けてよいものです。
「もう大きいから」と読み聞かせをやめてしまう家庭も多いですが、わが家では小3まで続けました。一緒に本の世界に入る時間が、息子にとっての「本は楽しいもの」という感覚を支えていたように思います。
こうした時間の積み重ねが、結果として読書習慣につながります。
読書習慣がある子に共通する家庭の空気
読書習慣がある子の家庭には、共通する空気があります。
それは、本が身近で、読むことを急がされず、読まない日があっても責められない空気です。
わが家でも、親が本を読んでいる姿を見せることは意識していました。子どもにだけ「読みなさい」と言うのではなく、まずは自分が読む。本を勉強の道具ではなく、楽しいものとして見せる。そのことが意外と大きかったように思います。
また、本屋さんや図書館に行く時間そのものを、親子で楽しむものに変えたこともよかったです。本を選ぶことが作業ではなく、楽しみになると、本への距離は自然に近づいていきます。
読書習慣は、家庭の空気の中で育つものでもあるのだと思います。
小学生の読書習慣チェックリスト
ここまでの内容を、チェックリストで整理します。
- 本が目に入りやすい場所にある
- 子どもが自分で本を手に取りやすい
- 最初から長く読ませようとしていない
- 親にとっての良書より、子どもに合う本を優先している
- 本屋さんや図書館で急かしすぎていない
- 読んだ後に感想や理解を試しすぎていない
- 読書を特別な勉強にしすぎていない
- 親自身も本を楽しむ姿を見せている
- 読まない日があっても責めていない
- 本との時間が、家庭の中で心地よいものになっている
全部そろっていなくても大丈夫です。どれかひとつでも整うと、読書との向き合い方は少しずつ変わっていきます。
小学生の読書習慣は、量より「本に向かいやすい流れ」が大切
小学生の読書習慣を作るときに大切なのは、たくさん読ませることではありません。
まずは、本を身近に感じられること。本との時間が苦しくないこと。本を開くことが特別ではないこと。こうした土台があると、読書は少しずつ習慣になっていきます。
親としては、「ひとりで読めるようになってほしい」「読書好きになってほしい」と思うものです。でも、先に必要なのは、上手に読むことより、本と仲良くなることなのかもしれません。
読書習慣は、一気に作るものではありません。小さな出会い、小さな成功体験、心地よい時間の積み重ねで育っていくものです。
量より流れ。読ませることより、本に向かいやすい空気。小学生の読書習慣は、その視点で整えていくのがいちばん自然だと思います。
気づいたときには、子どもが自分から本棚に手を伸ばしている。そうなったら、読書習慣は十分育っています。
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